青城SS | ナノ
「わー、松川しばらく会わないうちに背伸びたんじゃない?」
「伸びてないと思うけど。つかノリが親戚のヤツな」
「いえーい、元気だった?」
「はは、急にパリピ。まあ、ぼちぼち元気だったよ。ミョウジは? 変わりない?」
「元気元気。こないだ駅の階段で転げ落ちて、三日三晩痛みに耐えて、耐えきれなくて病院に行ったら肩にひびはいってたけど、元気!」
「いや、つっこむとこ多すぎて逆になんも言えねぇ。まず怪我は無事?」
「無事! ほんとはお酒ダメって言われたけど、今日は平気!」
「はい、ノンアルにしような。つか、昔もそんなんあったよな」
「えー、あった?」
「練習中に流れ弾に足とられてすっころんで、平気平気いってたら、転んだときについた手首のとこヒビ入ってたっていう」
「あぁ……、そんなこともありましたね。よく覚えてるね」
「いや、あれはみんな覚えてんじゃね?」
「えーでも覚えてるっていえば、松川が知らない人に人の女とってんじゃねぇーって街中で絡まれたヤツ」
「そんなんあったなぁ」
「あれは怖かった」
「怖かったっていえば、ミョウジが及川親衛隊とバトったやつな」
「それはもう忘れようってか時効ってか私被害者」
「いやだって、無理矢理マネの一日入部させて黙らせたよな。いやー、こえーなーって全部員が思った出来事だろ」
「怖くない。全然怖くない。それより遠征合宿のとき、岩泉が朝合宿場のロビーで寝てたヤツ。何してんのって言ったら知らない人と卓球勝負したって! でもその合宿場に卓球台はないよって!」
「あぁ、あった。アレなんだったんだろうな」
「ねー。まあ、夢じゃん? じゃないとヤバいじゃん?」
「つーか一番怖い話していい?」
「なに? 前置きがまず怖い」
「今まで話した内容さ、全部十年前のことだぜ」
「え、こっわ」

こわいはなし。

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